「お客様との関係が深まらない」という営業マンの悩みには
関係構築
営業の悩みはいろいろあります。業種・立場によっても様々ですが、よく聞かれる声に「クライアントとの関係性が深くならない」、「名刺交換できてもその後が続かない」、というものがあります。
日々、多くの人と出会います。ビジネスも人生も多くの出会いがあり、その縁の活かし方によって結果は大きく左右されます。特に営業に携わる方や経営者にとっては「出会い」の価値を突き詰めて研究することは重要なことです。営業技術云々の前に、どれだけ出会いを見究めているか、大切にしているか、出会いに対する自分の「型」をもっているか、武器があるか等の探求が自身の魅力を高めていきます。
そもそも出会い=名刺交換はどれほどの確率の中で成り立っているのでしょう。日本人の人口やビジネスに携わる人間の数から考える手もあると思います。業界、取引先、お客様、交流会など、いろいろ出会いの機会がありますが、独自の「出会いの極意」を持つと名刺交換の意味が全く違ってきます。
茶道を超える出会いの極意
一期一会という言葉は茶道の世界での「おもてなしの心」を表すものとして有名です。目の前の客人に対してもう会えないかもしれないという意識で最高のおもてなしをする、という意味になるかと思います。
お金を頂くビジネスの世界では、少なくともお茶の精神、一期一会の心に負けない、またはそれ以上の気持ちで接する必要があります。そのためにはどうするか、という極意を自分流に確立することがまずは魅力の第一歩となります。
名刺交換の意味
例えばビジネスの出会いには「名刺交換」という儀式があります。これは「私はこういうものです」という自己紹介の簡潔情報カードでもありますが「あなたはこんなにすばらしい方なのですね」という目の前の相手に対する関心領域を拡大する情報カードという見方が出来ます。そういう見方が意識できると小さな名刺の中にある情報には無限の可能性がひろがります。
相手の苗字から出身地を想像もできますし質問もできます。名前の漢字や構成からご両親の愛情や考えが浮き出る場合もあります。会社の住所から歴史や特徴が話題となることもあるでしょう。さらにその商品の特徴や展開などから話を広げていく・・もちろん名刺だけでなく目の前の方が身につけている装飾品や衣類、雰囲気を紐解く事だって可能です。相手に関心を示せば示すほど相手は心を開いてくれる可能性が高まります。
その気になれば相手に心を開いていただけるための情報は無限に存在することがわかります。
こうしたことが人間関係を深くしていく基本でもあるのです。小手先のテクニックの前にもっと相手に関心を示し「もっと教えてください」「私はあなたに関心があります」が表現できれば今までと違う可能性が開けていくことが実感できるはずです。
このワンチャンスを逃すまいといきなり自分や自社製品をやたら売り込む人がいますが、そもそも相手に興味がなければその情報は素通りします。ほとんどの商品は競合がいますし、それを聞く相手にはどこの会社や商品も似たような価格とスペックとしか映っていません。似たようなものであれば既に人間関係を構築している人や知っている人から買うのは自然です。人間関係も構築できていないのに自社製品をひたすら売りこむのは心のシャッターを下ろされるだけです。こうして毎日、市場を狭くして帰って来るのが営業の実態ではないでしょうか。
出会いの極意・・「もっと知って!」ではなく「もっと聞かせて!」、売込みではなく、私はあなたに、あなたのビジネスに関心がありますという姿勢を示すこと。自分に関心を持たれて嬉しくない人はいませんからどんどん相手から引き出すことが第1です。いっぱい引き出せば重要なキーワードがたくさん出てきます。その方の心の琴線に響く言葉や大切にしているモットー、その他その後使えるであろうキーワードを拾いまくることです。
日常こうした意識を持つだけで数ヶ月後には全く違うトークの自分と出会えます。お話したことはアタリマエのことばかりかもしれません。しかし、そのアタリマエがなかなできていないのではないでしょうか?
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。