「N02が育たない・・」と悩む社長へのアドバイス
経営者の悩み
経営者からよく聞く悩みのひとつがN02についてです。「うちの専務は自覚が乏しい・・」、「営業のトップに粘りがない、営業力が弱い・・」「自分の思いをわかってくれない」そんな話をよく聞きます。
小さな会社の場合、No.2は専務とか営業本部長など肩書きも色々ですが、多くは社長を補佐する実務の総責任者、営業責任者となります。いずれにしても、社長の手足となって動く人、社長の意を汲んで社内にその理念や真意を浸透させていくことのできる人、人望があって社長のスーパーサブ的な動きが出来る人、とにかく数字をたたきだせる人などなど社長のN0.2に対する要望はキリがありません。
また、トップとN0.2の呼吸があっていなければ企業は伸びません。ホンダの本田氏と藤沢氏、ソニーの井深氏と盛田氏などのコンビはあまりにも有名です。役割分担、思いの共有、個性の違い、弱点を補完しあえる関係性など、その阿吽の呼吸は後から出来上がったのではなく零細企業のときから理念や夢の共有を通して関係性を互いに育てあったということになると思います。小さな会社でもNO.1とNo.2の息があっている組織は元気がありますし成長発展しています。
結論を言うと、自分の意を汲める幹部を地道に育てることが結局は近道となります。そして中小零細企業の場合、経営者自身にも学びが必要です。互いに忙しく普段別々に動いていてコミュニケーションをほとんどとっていない中で「俺の思いをわかってくれない」とか、大事な仕事を全て自分で抱え込みながら「専務に役員としての自覚が無い」などというのは、傍からすると?です。こうした社長の思いと現実のズレが中小零細企業には山のようにあるのといってもよいでしょう。
ひとついえることは社長が変わらなければ周囲環境は変わらないということです。周囲を変えさせるだけでなく、社長自身ももう一段高みを目指さなければ人や環境は育ちませんし、人はついていきません。もうひとついえることはNo2を自分に近づけるところまで育てる意識と仕組みを持つ、ということです。ここからはその方法について記します。
社長の思いで10のことを伝えてもその真意が10そのまま伝わることはまずありません。せいぜい5程度しか伝わらないので、大切なことは何度も何度もしつこいくらいに繰り返して伝えることです。特に創業期には理念を打ち立ててその思いの共有をしつこいほど繰り返さねばなりません。一説には人は500回言わなければ覚えないそうです。20回~30回で諦めているようではダメだということです。
極意書作成
また、多くの場合、経営者とNo2以下のレベルが違いすぎることを嘆きますが、No2に少しでも近づいてもらうためには「経営者を超える極意書作成」を試みるのもよいでしょう。これは経営者の発言から真意を組みとる習慣づけをさせるものです。朝礼での社長の訓話、会議でのアドバイスや指示、普段の会話の中からでも「これは!」と思うものは①まずメモを取る ②その言葉から学んだこと気づいたことを記す ③学んだことを日常の中でどう活かすか、という施策を記す ④そして実践
社長の言葉の中にある真意を汲み取り、己の中に浸透させ日常の行動に落とし込むのです。こうしたことを数ヶ月続けていくとひとつのまとまった冊子となり「社長を超える極意集」が出来てきます。「社長を超える」と表現しているのは意味があります。「社長に近づく」では近づくことすら出来ません。言葉が潜在的に意識を牽引していきますので超えるくらいのパワーで望まなければ近づくことすらできないのです。
こうしたものが自分の自信になり血肉化して社長に近づける第1歩となるのです。会社に長年いると社長と距離が近すぎて社長の素晴らしさやアドバイスの意味や真意が汲み取れなくなることがあります。いわゆるマンネリ化ですが、その会社で立派なNo2を志向するなら、こうしたことを面倒がるようではおぼつかないでしょう。しかし社長から学びたい、もっと会社に貢献したいと思っているにもかかわらず教えてもらっていないためにどうしたらよいかわからない、それで戸惑っているケースも多々あるのです。
こうした方法論を示してあげることで見違えるようになった方々を大勢見てきました。社長の伝え方、接し方を反省すると共にもう一度、幹部の可能性を模索してみてはいかがでしょうか。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。