「それは無理!」——古い業界であるほど、この言葉が最も早く、最も大きな声で飛んでくるものです。
建設機械リース業界の最古参・金子機械株式会社様が、サンリオのハローキティとコラボレーションしたというニュースは、業界内外に小さくない衝撃を与えました。覚えている方もいると思います。重機とキャラクター。泥と可愛さ。男社会と女の子の世界観。この二つが交わる世界を、想像できる人は多くはないはずです。
三代目の金子社長にお話を伺い、その変革のスピリッツに触れてきました。コラボの成功は結果から見れば「それは面白いよね」「それはいいよね」と思われがちですが、型破りな挑戦には勇気がいるものです。
「殻を破る」とは・・どういうことでしょう。思考の殻は、「業界の常識」という名の透明な壁でもあります。長年の慣習が積み重なり、やがて、それが「あるべき姿」として固まっていきます。誰も疑わない。疑う必要を感じない。そこに風穴を開けるには、常識を「事実」ではなく「思い込み」と見抜く眼力が要ります。その壁の厚さは、業界の歴史に比例するものです。老舗であればあるほど、「うちはこうやってきた」という誇りが壁を補強します。
変えることは、過去や自分たちを否定することではないか——そんな恐れが組織の内側から変化を阻むものです。変革には主に3つのエネルギーが必要と考えています。勇気(笑われる覚悟)、決断(リーダーの腹くくり)、文化(社員の声を活かす土壌)
必要なのは「狂気」ではなく「本気」
今回のコラボで特筆すべきは、そのアイデアが社員から生まれている点です。トップダウンの革命ではなく、現場の声を拾い上げ、経営がそれを本気で後押ししています。金子社長曰く、社員のアイデアを活かすボトムアップの歴史はここから始まったのではなく、すでに組織内に根付いてきていたとのこと。その象徴がこのコラボの成功ということなのです。そこがすばらしいのです。
アイデアの創出、これが真の組織力です。いくら社長が「変われ!」と叫んでも、現場が動かなければ何も変わらない・・、逆もしかり——社員がどれほど良いアイデアを持っていても、意思決定者が怖じ気づけば、そのアイデアは日の目をみることはありません。
殻を破るエネルギーは、想像以上に膨大なものが必要だと思います。外部の批判に耐える体力。社内の懐疑派を説得する忍耐。失敗した時のリスクを引き受ける胆力。それらを支えるのが、組織の文化——失敗を恐れない、罰しない風土、面白がる精神、そして「やってみようか」と言える上司の一言。
型破りは、型を知る者にしかできない
業界最古参だからこそ、この挑戦が光るのだと思います。長年業界を守ってきた=成功の型を持つ者が、その常識を自ら疑い、一歩踏み出す・・、それは間違いなく挑戦であり、進化です。キティちゃんをまとった重機の存在——それはひとつの会社の話ではなく、「変われない」と思い込んでいるすべての業界への、静かな檄文といえます。 金子機械様の今後の活躍、更なる進化が楽しみです。
感動をかたちに 喜びをちからに 感謝をこころに
この記事は2026年6月12日、(株)研秀舎/QM-East 代表取締役の藤原格により作成されました。

