社員を育てるには○○○○を失わせない工夫が必要
ノーベル賞連続受賞
大隅良典氏という日本人学者がノーベル賞を受賞しました。3年連続で25人目、日本人として本当にうれしいことであり誇りに思います。 こうした受賞の度に、生い立ちや子供の頃のエピソードが紹介されます。その多くに共通するのが旺盛な好奇心であり、好奇心の強さが関心につながり、深い興味へと進んでいます。それが新しい発想を生んだり集中力を鍛えたりして探究心を磨き上げ、気がつけばノーベル賞にたどり着いていたというパターンです。
研究に没頭し続けての結果には「純粋無垢」という言葉が似合いますが、よい意味で無邪気な方が多いのは気のせいではないですね。授賞式のシーズンになると、また育った環境やご両親の教育方針にも注目がいきます。好奇心を育てるおおらかさ、好きなことをさせて伸び伸びと育てる環境や教育方針は我々にも参考になります。心がワクワクする、させることはとても重要なキーワードです。
心がワクワクする環境
極端な例えですが、グーグルという企業は0.25%という狭き門をくぐり抜けてきた優秀な人たちの競争の場でもあります。その意味では想像を超える厳しさがあると思いますが、自由に発想が湧き出るような環境や遊び心がたくさんあるといいます。いいかえると右脳を発揮できる環境があります。日本でいえば岐阜の未来工業も社員のやる気を出させる仕組みや環境が有名ですね。改善提案がお金になったり休みが増えたり、残業しないでいかに効率よく無駄なく仕事するか、どんどん改善意見を出す仕組みや環境があります。そのためには大人も好奇心の基にある「ワクワクする心」を発揮させることが重要です。考えたことが反映される、お金になる、結果になる、そうしたことを通じて楽しくさせる工夫が不可欠です。給料を払っているのだから社員はやるべきことをやればよい、という考え方もあるでしょうが、これからは与えられた仕事(やるべきこと)のその先を社員が率先して楽しく考える、取り組む環境作りがますます重要な戦略になってきます。
補足として子供の右脳教育で有名なコペルの発行する冊子に「さかなクン」の記事がありましたのでご紹介します。さかなクンといえばタレント、イラストレーターでもあり東京海洋大学名誉博士・客員准教授でもある魚の専門家です。やはりおかあさんの接し方がすばらしかったようです。
4歳の頃、ごみ収集車を好きになり、ゴミ収集車が見たいとせがまれたお母さんは何時間も車のあとをついて回ってあげました。小学2年のときタコの絵をみて夢中になり、ぶつ切りでなく丸ごとのたこを買ってもらいました。その日からタコのことばかり考え続けては調べまくりました。タコ料理をせがまれたお母さんは1ヶ月近く味を変えながらたこ料理を作り続けてくれました。
水族館でタコの水槽から離れないさかなクンにお母さんは「タコって面白いんだね。お母さんもタコが気になってきた」と言い、さかなクンは「タコの魅力に共感してくれ感動を共有でき、凄く嬉しかった」と当時を振り返っています。閉館までタコが姿を現さずがっかりしていると「残念だったわね、でも魚は他にもいるのよ」と魚の下敷きを買ってくれたことから魚全体に興味が移って今のさかなクンに繋がっているのです。
子供のころの憧れであった東京水産大学(現東京海洋大学)の先生になるという夢をかなえることができたのはお母さんの愛情あるかかわり方のおかげです。さかなクンのお母さんのような忍耐力はなかなかもてるものではありませんが、わが子のような社員の育成・・参考にしたいですね。
社員教育の大切さを謳っていながら教育の全てを外部に任せきりにしたり、時には上司自ら部下のやる気を根こそぎ削ってしまうような発言をしていませんか?若い社員が自分の会社や商品に対する関心→興味を育てて面白がることが出来れば、その楽しさがお客様に伝わるということだと思います。それを助成するのが教育です。本人の努力は絶対必要です。そしてその努力をより効率的・効果的なものにするために上司は励ます、寄り添うという感覚を持ちたいものです。決して甘やかすということではありません。あくまで目標に向かって励ます、動機付けるのです。ワクワクさせるのです。
好奇心→関心→興味という言葉の定義もぜひ一度紐解いてみてください。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。