社会人育て4訓
山口県の2歳児行方不明事件
お盆休みの只中、日本中が心配した山口県の2歳児行方不明事件。無事に見つかってよかったと心から思います。この出来事には色々と思うところもあるのですが・・発見したボランティアの男性だけでなく、その解決の陰には警察、消防そしてたくさんの人々がボランティアで尽力されたことも忘れてはいけないですね。
さて、今回の出来事で思い出したのが同じ山口県の教育者が唱えたとされる「子育て四訓」。
「乳児はしっかり肌を離すな、幼児は肌を話して手を離すな、少年は手を離して目を離すな、青年は目を離して心を離すな」というものです。
自分も子供を育てている経験をしている最中ですが、これは的を得た名言だと思います。今回の事件の男の子は2歳になったばかり、まだまだ手を離してはいけない時期でした。1人でも家に帰れるだろう、母親に会えるだろう、という自分の勝手な憶測はダメということですね。無事、発見された時も祖父の方は「まさかそんな上に登っているとは思わなかった」という意味のことを言ってましたが、2才になったばかりの小さな子供に大人の価値観や常識は通用しません。確実に母親に手渡す、最後まで見届ける、これしかないと改めて思います。
社会人育て四訓
さて、本題です。この子育て四訓は少し年齢的な差はあっても、表現を変えれば新社会人にも充てはまりそうです。
乳児期=社会人1年生に対しては、肌を離さない=常に気持ちを離さない。会社、上司としては「この部下を育てあげる!」という覚悟を決めて接する時期といえます。会社や上司に都合のよい人材が入ってくることはまずありません。育てるしかなのです。「アイツは使えない」「この子はちょっと・・」と、ダメ出しは簡単にできますが、そうした人材をうまく育てて活用していくしか組織を伸ばすことはできません。名もない組織、企業が人を採用するとは覚悟をするということです。肌を離さない、とは会社・上司がこの部下と共に会社を伸ばしていくという決意をするということです。
社会人幼児期になると、肌を離しても手を離さない=導く、指導をする時期。ある程度歩けるようになったからといってほったらかしにしない、全てを任せきりにするのではなく、手を引いてあげて方向性を示すということではないかと思います。褒める、叱るという大切なストロークを意識して多用することもこの時期に重要な要素として入ってくるのではないでしょうか。
更に年数が経過して社会人少年期になると、手を離して目を離さない=ひととおり本人にやらせながらも対話、コミュニケーションを重視する、手を出し過ぎず、必要に応じた軌道修正を重んじる時期といえそうです。マネジメントをしっかり行いながらどれだけ気持ちを注げるか、と言いかえられます。
そして社会人青年期になると、目を離して心を離さない=信頼して任せる=あれこれを口を出さないで寄り添うことに徹する時期ではないかと思います。自分で考えて工夫して行動できるようにしてあげる、もちろん最終責任は上司が持ちながらも自分の力で解決できるようにする、させる。心を離さないというのは常に経営理念を共有している状態ともいえます。目指す方向を確認しながら行動力、リーダーシップを発揮できるよう支援することを重視する時期ではないかと思います。
こうした場面ではこう動くだろう、こう考えるだろう、というのは口に出して確認しないとズレが生じます。特に社会人幼児期は会社での働き方、立ち居振る舞いの仕方等が少し分かってきたと思われる時期でもあるので、勘違いのまま山の奥に入っていかないように、もっとも注意すべき時期といえそうです。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。