〇〇ひとつで視野が広がり幸せの数が増える
若い頃勤めた会社に「人間は感情の動物だ!」と言ってよく怒鳴り散らす上司がいました。間違ってはいないとは思いますが、人間は感情をコントロールできる唯一の動物じゃないのか?と心の中では強く反発していました。その頃は感情という言葉そのものを深掘りする機会も関心もありませんでしたが、感動経営に携わってからは色々考える機会があります。
人間の感情には喜・怒・哀・楽があります。この4つの構成要素について考えてみましょう。この4つの中で影響力が一番強いのは「怒」です。怒りが強過ぎると病気を引き起こすこともあります。また恨み・つらみは何十年も続くことがあります。少し前に「恨みは1000年続く」等と言った某国の政治家もいました。身内同士の骨肉の争いとか、長い期間をかけて裁判で闘うなどを考えれば、そのパワーの強さ・持続力は一目瞭然です。政治家が選挙のたびに敵の存在を明確にするのは力を蓄えやすい=味方を作りやすいからですが、「怒」の力は他人へも影響を及ぼしやすいといえるでしょう。
「哀」の影響力も少なくありません。身内や親しい人を亡くした悲しみ等はとてもつらいものではありますが、「怒」に比べれば一般的にパワーは小さいと思います。時間の経過とともに弱まっていく傾向があります。「哀」という感情が持っている特性に人は時間をかけて慣れていくことができる、という言い方ができるのかもしれません。
さて、我々がフォーカスしている感動は「喜」と「楽」という要素が関与します。「楽」=たのしい・・・娯楽、体験、趣味、人とのかかわりなど、外的な要因が強く関係します。ディズニーランド、USJ、旅行や家族団らん、親しい仲間とのひと時や食事もこのグループです。
「喜」は若干、幅が広くなるようです。「楽」と被る部分もあります。親しい人と旅行や娯楽施設へ行くことが決まれば「喜び」であり、行ってからは「楽しい」に変わります。成功体験は喜びであって楽しさとは少し違います。何かを成し遂げたことによる達成感、充実感、満足感は楽しさではなく、喜びに属します。他にも成長、勝利、祝福、承認、名誉などは喜と連動します。
ここで大切なことは怒や哀よりも喜や楽はその感情を味わえる時間が短いということです。人間にとって絶対必要な心の栄養ともいえる喜・楽グループが怒・哀グループに持続力、影響力などの力関係で負けるとするならば、強く意識して喜・楽にフォーカスをして、些細なことの中にも喜び・楽しさを見出すようにすることが大切です。強く意識してはじめて心の中のバランスが取れるともいえます。
例えば健康という喜び・・病気になったり、けがをして不自由な思いをすると健康のありがたさを実感します。時間通りに電車が来る喜び・・遅延したり止まったりすると途端に不自由になります。正確に動いているときは当たり前すぎて意識しませんが、何かアクシデントがあると急にありがたい感謝の対象になります。他にも安全、平和、無難、人間関係、会話、家庭、生命といった、あるのが当り前で普段あまり意識しないものも考え方・観方を深めると喜びの対象となっていきます。
捉え方ひとつで視野が広がり感性が磨かれていくのです。つまり感動の領域が増えていきます。味わい深い日々、充実の人生へと繋がります。意識して広い視野で喜・楽を見ていくことで幸せの数を増やすきっかけが掴めます。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。