誰でも当てはまりそうな思考の罠
気づき
企業で研修を行っていると色々な気づきがあります。毎回、参加者にはテーマに沿って発表してもらうのですが、時々内容が脱線される場合もあります。もちろんそれは軌道修正もしていくのですが、脱線が直ぐに理解できる方、少し時間のかかる方、マイペースな方もいます。理解できるできないということよりも、自分は別に間違っていないのでこのままでよいと信じ込んでいるケースの方が多いと感じます。
「ダニング・クルーガー効果」という心理学の言葉があります。大学の教室で知性を図るテストを何種類か実施し、学生たちに結果を知らせる前に自分のテストの成績はクラスの中でどのくらいの位置だと思うか?と自己評価をさせると、点数の悪い人ほどクラスの中で上位にいると勘違いする傾向があったというものです。逆に点数のよい人は実際よりも自分の順位を低く見積もる傾向ありました。
技術・知識が低い人ほど自分の能力を客観的に把握できておらず、「できる」気がしてしまっている=高い点数とるために何が必要か理解していない、理解していないからこそ非現実的な夢を見るということです。
これは多くの示唆を含んでいます。人は勘違いをしやすい生き物であり、自分のこととは考えずに他人が劣っているなどと錯覚してしまう傾向があるという事でもあります。人は自分を冷静に観る、客観視するのは難しい、ということでもあります。
こうした傾向を打破するためには、やはり学び続けて「知らないことを知る」、「知らない分野を増やして謙虚さを身につける」ことで自身の知性を上げることが必要ですが、特に素直力を磨く姿勢が重要です。マイペースな人ほど課題の本質を自分に都合のよい風に解釈をして楽な内容に変えてしまうことがあります。こうした傾向は日常生活にも通じることなので心したいことです。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。