台風19号に学ぶビジネスの基本
被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
甚大な被害をもたらした台風19号ですが、1週間前からその規模の大きさは盛んに報道されていました。台風は地震等と違い備えができます。今回の台風で教訓となったお話を紹介します。
台風の翌週に伺った研修先での話です。研修受講者のAさんは台風が直撃した12日に結婚式を予定していました。会場はきれいなガーデンが人気の式場です。当然のことながら結婚のセレモニーは何か月も前から日程・会場を抑え、招待客にも予定を組んでいただきます。尋常ではない台風が近づき、その情報が過激になるたびに気が気ではありません。しかし式場側からの連絡や提案などは何もなかったといいます。こういうときはどうしようか、電車が止まったら、心配・手配すべきはいろいろでてきます。
招待客の足元・移動手段が心配になり、Aさんが送迎バスを手配しようと式場に連絡を入れたところ、既に予約がいっぱいで「すみません、手配できません」という回答。Aさんのストレスはたまる一方です。
結局、ギリギリまで悩んだ末に式は延期することになりました。すると12日のキャンセル料の請求額は百万越え・・。勝手な理由で決めた延期ではないのにいくらなんでも・・と交渉したところ、半額程度にはなったようです。しかし、契約上延期できる時期にも制約があり、一般的には超多忙とされる時期内に再度、式を行わねばならないようでようで、それもAさんのストレスに拍車をかけることになりました。
式場側としてはすでに業務が発生し、発注済のコストもありますので無料というわけにはいかないでしょう。しかし、この話を聞いて考えさせられるものがありました。
台風はある程度備えができます。尋常ではない規模の台風だという情報が入ってきた時点で、せめて式場側から「不安やご不明の点がございましたらいつでもご連絡をどうぞ」的な連絡があれば気持ちは全く違うものになったのではないでしょうか。ちなみに住宅の緊急時のクレームもそうですが、すぐに直すということよりもすぐに伺う、すぐにお客様の気持ちに寄り添う、その発想と行動が初動として最も大切です。
ビジネスする側にとっては日常の事であっても新郎新婦にとって結婚式は人生たった一度きりの最高のセレモニーであるのです。「お客様に寄り添う気持ち」があるかどうか。今後もこうしたある程度予測ができる災害は増えると考なければならない時代の中で、企業のお客様を思う気持ち・あり方を末端社員にまで浸透させておくことは重要です。
どんなビジネスでも感動・喜びをお客様に与えるために存在しているのですから心に刻まなければならない基本の教訓ではないでしょうか。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。