名刺交換時の大切な着眼
感動経営革命、感動営業という名で企業研修を行って28年ほどになります。細かなところでは表現の仕方や研修の進め方に変化もありますが、本質は変わりません。人の「心」の中にあるものををテーマとして扱っています。おもてなし、ホスピタリティなどにも紐づきますが、心の琴線に触れる世界観はどんな時代であっても探究すべき重要なものです。
心に触れる世界観を語るうえで大切なものの一つに名前の存在があります。皆さんにも経験があるかもしれませんが、子どもの頃、あだ名=名前をいじられて腹がったことはありませんか?名前をほめられて嬉しかったことはありませんか?私の格(いたる)という名前は珍しい読み方なので子どもの頃、正しく読んでもらえず苦労しました。正直に言えば自分の名前が嫌いでした。しかし、中学1年の時、部活の顧問が人生で初めて正確に名前を呼んでくれた時の感動を今でも忘れることができません。その時の会話、光景をありありと覚えています。やっと人として認められた・・大げさに感じるかもしれませんが、それほど嬉しかったしインパクトが強かったのです。その時はもちろん意識もしてませんが、名前の価値、重要さを体験しました。
クラブやスナックの女性経営者には驚くほどお客様の顔と名前を覚えていることが多いものです。お客様と接する仕事ですし、そういうのが得意なんだろうくらいに思っているかもしれませんが、一度でも来てくれたお客様のことを忘れないように、人知れず毎日顔と名前が一致するように復習していると言います。特徴などを書いたメモをもとに顔、名前、特徴を何度も頭に叩き込むのです。だからこそ2度目に来てくれた時、「○○様、いらっしゃい!お久しぶりですね」という言葉がすんなりと出るのです。その時、客側は「一度しか来てないのによく覚えてるね。」と感心して店のファンになっていくのです。店に入ってきた瞬間にその言葉が出るかどうかが大事なことを知っているのです。
名前は命・・弊社研修の最大のテーマです。生まれた命に名前を付けることを命名といいます。名刺交換から始まるのがビジネス、その中心には名前があります。生涯持っている唯一のものが名前・・その名前をどう扱うか、どんな構えで扱うか、時代が変わっても名前が存在する以上、この重要戦略も変わらないのです。
感動をかたちに 喜びをちからに 感謝をこころに
この記事は2024年10月22日 ㈱研秀舎(QM‐EAST)代表の藤原格により作成されました。