あなたから買いたい!の言葉を引出すための営業の方程式
あなたから買いたい!
恐縮ですが、今回は少し私の話をさせていただきます。私の社会人は不動産や土地有効活用事業などを主に行う企業への就職から始まりました。現在では一部上場企業となりましたが、当時は50名の会社に新卒50名が入るという新卒元年、会社にとっては飛躍の勝負の年であり、経験の浅い若者がなんでもやらなければならない時でもありました。
そんな会社で海外事業部が誕生したのは入社3年が経ち、仲介建売業務を経験した後のことです。ハワイのマンションを軸に国内で販売をするためのの立ち上げを1人で担当していました。個人が海外に不動産所有?と思ったのは最初だけで、やがてバブルの波が押し寄せると一気にハワイ不動産ブームが到来します。その頃、現地に赴任して物件を供給する側にまわり、マンション仲介情報、収益物件の買い取り・転売も行っていきました。赴任当時、ハワイのワンルームマンションが日本円にして500万円~700万円、ネット利回り7%前後といった時代、多い月には30件以上の取引を行っていました。
取引が右から左へ流れていくようなスピード感の中、日本から来られたお客様のためにせっかく案内の準備をしていても物件は売れてしまったりして視察のスケジュールが大幅に狂うことも珍しくはありません。もっときついのはよい物件を確保しても「悪いね、別の業者から買っちゃった」となることです。
その度に思うのはお客様が「自分から買う」という約束をしていただけると、どれほど楽か、すばらしいか、ということです。自分だけを信頼していただき、よい物件を見つけてくるまで待ってもらってタイムリーに紹介ができる体制があれば、どれだけ丁寧な仕事ができるか・・とよく考えたものです。
「あなたから買いたい」=購入の専任契約・・、不動産販売業務においてはこの言葉は魅力溢れる言葉です。QMの研修と出会ったとき、「商品・価格に頼らず受注を可能にする」、「あなたから買いたい!」といわる仕組みを作る、というキャッチを聞いて「これだ!」と電流が走ったことを思い出します。
営業の方程式
方程式とは自動的に答えを導き出す仕組みのことをいいます。数字を当てはめれば答が出ます。我々はお客様の心の琴線に触れるような発想、表現、行動、そしてプレゼントを考え抜き、与え続けていく仕組みを構築しています。喜ばれることを続けていけば成果に繋がる、その手応えをつかめる、その結果のために「これを行いましょう」という連続の具体策です。これこそが営業における方程式となります。感動と喜びの経営革命と呼んでいる本質がここにあります。
コストをかけずにお客様が歓喜するようなプレゼントを与え続けて、心を開いていただくことを繰り返していきます。プレゼントというと高価なものを想像されるかもしれませんが、一味もふた味も違う、お客様の心が震えるようなお礼状を送ることもその一つです。
名刺交換した後、どれほどの営業マンがお礼状を書いているか分かりませんが、ライバルが絶対にやらないようなお礼状がくるのと、何も送ってこないのではインパクトは雲泥の差でしょう。そしてその2週間後にはまた違う形で心が震えるようなインパクトのあるものが届く・・こうしたことの繰り返しで短期間で心の扉を開いて行くことを実現するのです。
人間の購買心理の変化を考えていくと、最初は「いらない、買わない、間に合っている」と言っていても、関わり続けていくうちに、与え続けていくうちにこの心理曲線が変化していきます。この時間軸を見抜くことが重要です。
人は自分に関心を持ってくれる人に関心を持ちます。「鏡の法則」とも呼ばれますが、相手に少し関心を示せば少しだけ関心を示してくれます。相手のことを好きになれば相手も自分を好きになってくれます。相手のことを嫌っっていれば言葉にしなくても伝わりますね。それと同じです。
相手を好きになる、相手に関心を持つ範囲が広い人ほど魅力的であり仲間が大勢います。あの人はどうの、この人のこういうところが・・と批判精神を発揮する人が魅力的で人を引き寄せている、というのはあまり聞いたことがありません。 感動・喜びの大研究は相手に関心を持つ、相手を好きなるスイートスポットの広い人を目指すこととイコールであり、この道を究め続けることが人物の徳を磨いて感動大尽として尊敬されるのです。
「あなたから買いたい」といわれる方程式は相手のことを真摯に考え抜き、具体的に与え続けることから始まります。何も知恵が出ない、そんな手間隙かかることはできない、という思いがある方は「ありがとう」という言葉を毎日、今までの10倍使うと決めてみてはどうでしょう。「ありがとう」というと相手は笑顔をくれるかもしれません。それもひとつの喜びですね。
そして、その次は今までの10倍「ありがとう」といわれる行動に挑戦してみてはいかがでしょう。ささいなことでも「ありがとう」といわれると嬉しいものです。そんな小さな自己承認が社内に広まるとどうでしょうか。少しずつでも組織の風通しがよくなると思いませんか。それがやがて社風になり文化になり「もっと喜んでもらうためには?」という知恵の使い方につながっていきます。これがお伝えしたい営業の方程式の基本となります。
簡単だけど今までやっていないこと、一回ならできるけど継続することはちょっとした努力や工夫が必要、そのような世界に挑戦することが「あなたから買いたい」といわれる魅力と実力を備えた営業の達人を輩出していくことに繋がると確信しています。
道は果てしなく続きます。しかし確実に一歩踏み出せば何かが見えてきます。業種・業界に関係なく、商品・価格に頼らず受注を可能にする、というのは心に焦点を絞ることに他なりません。
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