新しい仕組みの導入に失敗しないための5つの心得
社長の傾向
社長は会社をよくしたい!と願っています。規模や業界業種に関係なく社長であればその気持ちに変わりはないでしょう。そして意欲的にいろんなことに取り組みます。研修に行かせたり、外部から講師を招いたり,社内で研究会を開催したりと。そうした社長の会社に対する思いや願いがすんなりと浸透すればよいのですが、実際にはなかなか社員の心に届かなかったり、新しい文化が根付かなかったりします。それはナゼでしょうか。
いろんな原因が複雑に絡まっているのは承知で、外部研修講師の立場から見たときに傾向として浮かび上がる5つのポイントを簡単にお伝えします。特にこれから営業マンを増やしたい、No2を育てたい、と考えてる企業規模が数名~30名程度の経営に携わる方は参考にしてください。
1社員に任せきり
社長は外部での勉強やセミナーに関心が高く、その中から自分の主義や思考に合うものに沿って出かけて行き参加します。自分の会社に取り入れたらどういう展開が出来るかを想像し「これだ!」と思えば早速導入します。そしてこういうのです。「先生、こいつらを鍛えてやってください。ぼくは忙しいので後はお任せします。今後のことは◆△が窓口になりますので」
いろんなものを見つけてきて社内で無茶振りの繰り返し。すべてにかかわる必要はなくても、ある程度その進捗に関心を持ち心を寄り添わせる必要があります。自分はOK、部下はダメ、後は任せた、よろしく!そうでなくても忙しくて疲弊している社員、社長の無関心ぶりに心が離れていきます。小さな企業では社長はすべてにおいてリーダーであるべきです。
2幹部との呼吸
社長と幹部、とりわけNo2との呼吸があっているかどうかはとても大切です。社長が笛を吹いても社員が踊らないのは幹部との波長が合っていない、というケースが多々あります。社長はあんなこと言ってるけど・・、また社長が変なことを言い出した・・そういう姿勢を幹部が見せていると、部下は迷いが生じるので中途半端な結果になります。研修の中身がどうかよりも一旦導入が決まれば「これが会社の方針だ!」と社員たちの背中を押してあげるような幹部の育成こそ必要です。
3環境整備
環境整備はすべての基本です。表彰されるほどの素晴らしい環境整備がなされている会社は何を学ぶにしても社員の吸収力がすばらしいといえます。集中力、姿勢、課題に対する真摯な取り組み、アイデアや発想の豊かさ等、日頃の整理・整頓・清掃・清潔・しつけと大きな関係があるといえます。
駐車場にゴミが散乱、社内にものが散乱している、壁やトイレが綺麗ではない、そんな会社は社内に入った瞬間に空気がよどんでいるのが感じられます。そのよどみは周辺環境だけからくるのではなく、コミュニケーションの悪さ、ギスギスした人間関係、ストレスなど目には見えない部分と大きな関係があります。外部から新しい文化を導入する前にまず襟を正す、足元を固めることが先だといえます。
4 営業だから・・の悪しき習慣
セミナーや研修を行っている時、電話にでていく回数が多い、でていくと会話が長くてなかなか戻らない、という傾向がある会社の場合も難しいものがあります。営業が成果を出すことは企業の生命線であることは間違いないですが、優先順位の考え方に勘違いがあるケースもあるようです。講義中には緊急の場合を除いてその場に集中するのが当然と思うのですが、営業の電話(らしい)がまかり通る習慣が横行しているというケースはそもそも研修内容の浸透に意欲があるとはいえません。結果としてこうした組織は無駄話も多く、時間にルーズだったりする傾向があります。
5 「どうせ・・」の思考が社内に蔓延している
「社長がまた変なものを持ってきたけど、どうせ直ぐ飽きるよ」「どうせ長続きしないよ」社長が一生懸命探してくるものは社員にとっては迷惑なものに成り下がっている状態です。簡単に食いついて簡単に導入を試みて簡単に諦めることを繰り返していけば社員も見透かしてしまいます。こうなるとどんなによいものであっても新しい文化浸透は手ごわいといえます。
よく会社は社長の器以上にはならない、といわれます。企業は社長の心を映す鏡ともいえます。「ウチの社員はなんで・・」「どうして我が社は・・」「ナゼあの会社にできてウチでは・・」その答えの一つは「社長が変わらないから」。
弊社の研修もライバルがやらない営業の仕組みを作っているという意味では新しい文化の導入をお手伝いしているわけですが、社長自身が「これしかない!」「これに社運をかけるぞ!」という意欲や意気込みを示し、率先垂範で引っ張っていく覚悟がある企業ほど浸透が早く、結果につながっていっています。
社長が大切な社員のことで嘆く前に自分自身の行動や悪しき習慣など日常を振り返ってみることも大切ではないでしょうか。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。