社長の悩み「どうしてうちの社員は考えないのか・・」
自分で考えてテキパキと行動できる社員がたくさんいたら社長は楽ですね。しかし、それができないのは教育制度からくる問題でもありますが、社長自身のかかわり方に問題がある場合も多々あります。
学校は・・日本の教育の中心は正解を探す作業中心です。正解のない問いかけに答をひねり出す作業や
ディベートもほとんどありません。長年そうした習慣に浸っていた人にいきなり正解のないテーマで討論しなさいと言われてもとまどうことでしょう。そして、その習慣が抜けないまま社会にでても答えを探し続けるということになります。
企業の教育はほとんどが即戦力にするための教育、人間力を磨くとかじっくり育てるというよりも早く現場に送り出して戦力にするためにあります。言い換えれば答を与え続けて「やらせる」「仕事に慣れさせる」ことでもあります。
またワンマンな経営者ほど自分の意のままに人に動いてもらいたいと考えています。知らず知らずそういう指導をしています。つまり「考えるな」「考えないで言われたことだけやってろ」という教育をしてきているようなものです。今まで言いなりに動かすことをやっておきながら、いきなりはしごを外して「さあ考えろ」と言われても動けるはずがありません。動かないのではなく動けないのであり、考えないのでなく考えて動くことに慣れていないのです。「いや、そうなことはない、ウチは縛り付けていないし自由にやらせている」と反論する方もいるかもしれませんが、現実的に動けていないと感じるなら、程度の差こそあれコントローラーとして抑え込んできているとみるべきです。
人が育つには時間がかかります。信頼する、支える、考えさせる、やってみさせる、我慢する、うまくいけば誉めるという繰り返しで熟成させていくしかありません。山本五十六の有名な「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」は核心をついていますね。忍耐がいる、時間がかかるということですね。経営者は自分が思っているよりも人をコントロールしていると考えるべきではないでしょうか。「考える」を企業文化としながら、小さなことでも考えて動くことを習慣化するための取り組みをしていくことを行ってみてはいかがでしょうか。そして小さなことでも承認されたら社員は嬉しいものです。
補足ですが、山本五十六の至言は次のように続きます。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
絶対服従が基本の、戦争時代の指揮官の言葉です。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。