上司と部下の意識の危険なズレ
私は時々妻に叱られます。「家で食事をしたら美味しいかどうか反応してほしい」と。「すごく苦労して作った割に淡々と食べられてしまって切ない」とも。「いや、ちゃんと美味しいと言っているでしょ」と抵抗してみますが、本人が言われていないと感じるならそうなのでしょう。私も仕事柄、食事の感想とかは意識して伝えているはずなのですが、それでも妻にすると言われていないと感じているのです。仕事で考えごとをしている場合もあるので黙々と食べてしまっていることも多いのかもしれませんね。
何が言いたいかというと、こうした意識のズレは仕事場では頻繁に起こっている可能性があるということです。職場では上司と部下の関係なので、部下が「ほめてほしい」「認めてほしい」と面と向かって言うことは少ないとは思います。なので表に出ない「水面下の不平・不満」となります。
上司は的確にタイムリーに部下の行動を評価する、ほめる、認めるということを「言葉」で伝える意識、習慣が必要です。「いや、私は認めてもいるし、ホメている」と上司は言うかもしれませんが、上の食事の会話のようなズレがあちこちで起きている可能性があるのです。
このことは若い社員の自己肯定感に大きく関係してきます。特に若い社員は「自分はこのままでいいのだろうか」、「この場所へいていいのだろうか」「もっと違う自分にあった仕事、職場があるのでは」と不安、不満がたくさんあります。そんなことで会社を辞めるのか?と上司が思う理由の背景にはこうした不満不安が水面下で渦巻いていることが少なくありません。
この上司について行こう、この社長について行きたい、この会社にいれば成長できる、この上司の期待にこたえたい、社員がそう思えるような職場環境の整備のためには自己肯定感を上げていくプロセスが必要です。その土台には「ほめる・認める・わかちあう」という意識が絶対必要なのです。 意識のズレがあることすら気づかないでいると社員の定着率に問題が出てくるのです。あなたが思うほど社員は認めてもらえていないしホメられてないと思っている、これを前提に観察してみてはいかがでしょうか。続きは別の機会にお伝えしていきます。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。