営業の極意について
経験経験が浅い場合、どうしても「売りたい」という気持ちが先に立ち、顔や態度、言動に出がちです。話を聞かされる買い手側としては売り手都合を感じた途端にドン引きしてしまうことは誰もが経験するところでもあります。買い手の立場に立てば分かっているはずなのに「売り手側」になるとついやってしまいがちです。
長年、住宅営業のTOPを経験された方で信頼している営業コーチの山川さん(仮名)のお話を聞きました。彼は営業を始めた頃まったく売れず、会社からの戦力外通告が迫る中、売ろうとして今まで同じことをしていては同じ結果しかない!と割り切り、従来のやり方を完全に捨てました。徹底的に・・売らない、契約を取ろうとしない、と決めたのです。
住宅展示場にお客様が来ても名刺を出さない、名乗らない、アンケートも「書かなくていいですよ」とアドバイス、ひたすら住宅を建てるなら「これを知っておいてほしい」、「ここに気を付けてくださいね」というアドバイスをすることだけに徹しました。もちろんその後の追っかけ営業もやりません。
ただ、売らないと言っても自分流のゴールは明確に決めていました。それは・・お客様から「ありがとうございました」と心の底から言われる状態を目指す、というものです。そのためにお客様目線で家を建てたい人が欲しがるアドバイス、情報提供に徹したのです。これを継続した結果、お客様から契約をお願いされるTOP営業マンになれたそうです。
短い文章なので行間は伝わりにくいかもしれませんが・・ありがたがられる、感謝される、契約をお願いします!と言われる営業を目指していると「喜ばれることそのもの」がうれしくて、早く会社に行きたい!お客様に会いたい!と思うようになったそうです。
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こうして文字で表すと、どこにでもありそうな成功体験の話に聞こえるかもしれません。でも本質はやっぱりこれだと思います。この人・・自分の都合で話しているな・・言葉は綺麗だけど「売りたい」が滲みでている・・こちらの要望を聞いてくれている実感がない・・等と思われたら売れるものも売れません。
山川さんに聞きました。「契約を目指さない・・よくそこまで振り切れましたね。お客様に色々質問されだしたら、契約できるかな?と思えて意識がそちらに行くと思うのですが」と。その時、彼はこう説明されました。「恐怖を乗り越えるほどすごい価値がつかめるのだと思います」
いろんな世界で隠し通すことができず、すべて明け透けになってしまう昨今、小手先のテクニックが通用しにくい時代ではなくなっていると思います。打算に走らず、営業しない、自分都合で売り込まない、と決めて徹底することへの恐怖こそありますが、その恐怖を超えた先にある世界・・を目指してみてはいかがでしょう。心からの「あなたに会えてよかった、ありがとう」これに勝る感動はないのではないでしょうか。本当の意味での、営業の強い原動力になると思います。
感動をかたちに 喜びをちからに 感謝をこころに
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。