新入社員の季節を前に考える人材育成の要諦
新人育成
今年も早くも2月中旬となり、総務・人事関係部署は新人の迎え入れにあわただしい季節ではないでしょうか。
新人は夢・希望を胸に会社に入ってきます。自分は将来ここの会社の社長になる!と密かな思いを抱いて入社する若者も少なくないでしょう。その気持ちが真っ白な、新鮮な時期に何を注入するか、どんな教育をするかで企業の未来は変わるといっても過言ではありません。
企業が何を目指すのか、どの方向へ行こうとしているのかを定めているバイブルがあります。経営理念や社是、そして創業者の思いそのものでもあります。残念ながらそうしたものが存在しない、あるいは形だけになってしまっている会社もありますが、本来、企業という船の絶対軸の役割をする存在です。
人は常に迷います。壁にぶつかります。気持ちが弱る時もあります。経営者でも迷いが生じるのですから、新入社員であればなおさらです。そんな時に気持ちを切らさないためにも,心がぶれないためにも、何のためにこの仕事をしているのか、なぜこの会社でなければならないのか、という基本的な考え方が必要なのです。
それを何度も繰り返し、徹底的に教えて教え込んで、脳の奥底に、いわゆる潜在意識に到達するほど記憶させることで、なにかあったときの迷いを断ち切ることが出来ます。人は忘れる生き物で、都合の悪いことも、覚えたはずの事も忘れるを前提にすべきです。
哲学・思想の啓蒙
多くの会社が新人が入るとすぐにOJTに取組みますが、重要なのはこの企業の哲学・思想を繰り返し教え込むことを続けることです。新人研修という一時期だけでなく、定期的にそのことを皆でそらんじたり、考えたり、実践の仕方について研究したり、常にそばに置いてバイブルとすることは最重要な戦略なはずです。それをあっさり済ませて、早々と戦力化するべくOJTなどが始まり、理念のことはおろそかになっていく、というのが現状です。
新人は希望を持って入社しますが、職場の環境は入ってないとわかりません。会社の業績や取扱商品、業界については勉強してきますが、上司は選べません。
「こんなはずではなかった!」という思いと理念の浸透していない中途半端な上司の基で管理されては五月病になれといっているようなものです。人として企業として誇りの持てる正しい経営理念、創業者の思い、いかに社会の、人々のお役にたつかという使命やこの会社でなければならない!という存在理由などを常に伝え続けて育てることが要です。
ユダヤ教の教育の仕方は先に覚えさせて後から意味づけをする、ということを聞きました。経典を丸暗記させて、その後からこれはどういうことかと教えていくと入りやすいのだそうです。箱を先に作って中身を入れていくということでしょう。
頭に思い浮かぶことが行動になる=頭に思い浮かぶことしか行動にならない、とすれば新人に対する教育は企業の哲学・思想を徹底的に教え込むことが第1となります。優良企業は規模の大小にかかわらずありますが、そうした会社はみな よい意味での思想教育が徹底されています。この会社は何のために存在しているのか、どういう使命があるのか、どういうお役立ちをすることで喜ばれる存在になるのか、の先に商品があることを忘れていけません。
上記の記事は弊社の根幹となる哲学「喜びの帝王学」を基にしています。